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被爆三輪車 彫刻作品に ジュネーブの博物館で展示へ

 非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))は3日、広島で被爆死した子どもの三輪車をモチーフに制作したブロンズ製の彫刻を、スイス・ジュネーブ市と同市の国際赤十字・赤新月博物館に寄贈すると発表した。9月19日から同館に常設展示される。

 三輪車は被爆して3歳で亡くなった鉄谷伸一ちゃんの遺品で、原爆資料館(広島市中区)に展示してある。遺族の了解を得て、デジタルスキャンしたデータを基に、ICANが依頼した日米の芸術家グループが2022年に実物大の彫刻を制作した。

 18年に資料館を訪れたICANのベアトリス・フィン事務局長(当時)が、核兵器の非人道性を象徴する物を事務所や国連欧州本部があるジュネーブ市に置こうと発案。強く印象に残ったという三輪車を彫刻で再現することにした。

 この日、広島市役所で記者会見したICANの川崎哲(あきら)国際運営委員は「三輪車は、ここに暮らしがあったとどの国の人にも感じさせる力がある。軍縮交渉の中心地であるジュネーブに置くことで核兵器廃絶へのメッセージが発信され続ける」と話した。(山下美波)

(2024年7月4日朝刊掲載)

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