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在朝被爆者たちの姿 中区で写真展

 韓国・朝鮮人被爆者や北朝鮮の市民生活に焦点を当てた写真展「在朝被爆者と平壌の人びと」が3日、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で始まった。フォトジャーナリスト伊藤孝司さん(72)=三重県=が広島や長崎、韓国、北朝鮮で撮った181枚が並ぶ。7日まで。無料。

 原爆で失った家族を思って涙ぐんだり、北朝鮮で援護策を受けられず「差別」と訴えたり。1980年代から撮り続けてきた被爆者たちの悲しみや苦しみが浮かぶ。直近で2019年までの北朝鮮の様子を伝えるカットには日本出身の女性やビアガーデン、結婚式の様子が写る。

 伊藤さんは取材のため85年から韓国を47回、98年から北朝鮮を43回訪れている。「希望する在朝被爆者に日本政府は援護を受けられるようにすべきだ。実態を多くの人に知ってほしい」と呼びかける。訪れた東区の裵学泰(ペハクテ)さん(74)は「戦争の悲劇が現在も続いていると思った。北朝鮮の自然な姿を見られ、良い機会になった」と話した。

 午前10時~午後5時。毎日午後1、3時に伊藤さんによる解説がある。 (山下美波)

(2024年7月4日朝刊掲載)

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