「自分ごと」として捉える平和 広島 教育の在り方 教員たち議論
24年7月8日
学校教諭たちが集い、平和教育の在り方を考える「へいわ教育カフェ」が6月上旬、広島市南区であった。戦後79年のいま、子どもたちが「自分ごと」として過去の戦争に向き合い、平和について主体的に考えるようになるために何が鍵になるのかを語り合った。
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広島、岡山両県や関東などの小中高の教諭たち計39人が、会場とオンラインで参加した。会場では5、6人のグループに分かれ、平和教育に携わる中で直面する課題や悩みを共有した。
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ある教諭は「被爆について自分ごととして考えてもらおうとするとただの恐怖体験になり、思考が続かなくなる生徒がいる」と明かした。別の教諭は、被爆者から体験を聞いた子どもたちに「次はあなたたちが発信者になって」と教師が呼びかけることが「押し付けになっているかもしれない」と問題提起した。
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事例報告をした岡山市立操南中の竹島潤教諭(44)は、生徒約100人がウクライナ支援の募金活動をしたり、倉敷市内に住む同国出身者を招いた講演会を生徒が主催したりした同校の取り組みを紹介。「いまの世界とつながりながら平和教育をすることが大切ではないか」と強調した。
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参加した岡山市内の50代の中学校教諭は「いまの子どもたちは、戦争を止めるために自分たちにも何かができる、という意識が薄い」と指摘。事例報告を踏まえ、「遠い国の問題を身近に引きつけて当事者意識を芽生えやすくする工夫が参考になった」と手応えを話した。
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カフェは広島大付属小(広島市南区)の野元祥太郎教諭が主催。公益財団法人「ヒロシマ平和創造基金」の助成を受け、昨秋から計3回開いた。
(治徳貴子)
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(2024年7月8日朝刊掲載)