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被爆体験語り継ぐ決意 広島で養成研修始まる

 被爆体験を語り継ぐ証言者と伝承者の養成へ、広島市による新規の研修が5日、中区の原爆資料館で始まった。91人が1~2年かけ、原爆被害や話し方などを学ぶ。

 研修生は自らの被爆体験を語る証言者が広島県内の80~90代の5人。被爆者の子や孫たち「家族伝承者」が4都府県の20~60代の23人、第三者たち「被爆体験伝承者」が9都府県と米国の10~80代の67人で、4人は重複している。初日は約60人が参加し、資料館の学芸員から原爆被害の概要や戦時下の暮らしなどについて説明を受けた。

 被爆体験伝承者を目指す安佐北区出身の言語聴覚士星野洋子さん(51)=埼玉県所沢市=は「県外で被爆について知られていないと感じ、伝えたいと思った。まずは研修で自分の知識を深めたい」と意気込んだ。

 研修は10月まで全6回の座学があり、その後は原稿の作成や実習を重ねる。修了後、修学旅行生や旅行者へ講話を始める。西田満・被爆体験継承担当課長は「市民たちの熱い思いに支えられている事業。被爆者の残された時間を有効に活用し、体験や思いを後世につなぎたい」と話している。(山下美波)

(2024年7月6日朝刊掲載)

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