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8・6式典 最多115ヵ国出席へ 広島市概要 イスラエル代表も

 広島市は8日、原爆の日の8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典の概要を発表した。過去最多となる115カ国の政府と欧州連合(EU)の代表が出席を予定。パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルも招待に応じる意向を示している。(野平慧一)

 市は166カ国に案内状を送っており、8日時点の回答状況をまとめた。先進7カ国首脳会議(G7サミット)が市で開かれ、過去最多だった昨年と比べ4カ国多く、アイスランドは初参列。市は「広島サミットに加え、世界で戦争や紛争が続く中で被爆の実相や平和への思いに注目されたのでは」とみる。

 核兵器を持つ9カ国では、英仏印とイスラエルは出席、米国は調整中、中国と北朝鮮、パキスタンは未回答。ウクライナ侵攻を続けるロシアは、支援するベラルーシと共に招待していない。ウクライナは未回答。

 遺族代表は32都道府県の各1人で昨年より2人多い。平均年齢は70・1歳。最高齢は92歳、最年少は53歳となる。

 式典は午前8時から50分間。「平和の鐘」を突く遺族代表は会社員の森脇路雄さん(42)=中区、こども代表は比治山小6年の上本菜々子さん(11)=南区=が担う。「平和への誓い」を祇園小6年の加藤晶さん(12)=安佐南区=と八幡東小6年の石丸優斗さん(12)=佐伯区=が発表する。

 テント内の参列者席は昨年と同様に約7千席用意。暑さ対策として、原爆慰霊碑に続く中央参道も初めてテントで覆う。

 昨年の式典は原爆ドーム周辺でデモ参加者の一部が市職員に体当たりしたとされる事件が起きた。市は今年、ドーム周辺を含む公園全体を午前5時から9時まで入場規制する。6時半に開設する入場口で手荷物検査をし、拡声器やプラカードの持ち込みを禁止する。一方、元安橋側から慰霊碑を巡る専用ルートを午前5~7時に設け、手荷物検査はしない。

(2024年7月9日朝刊掲載)

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