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被爆体験記 第58集を発刊 新日本婦人の会県本部

 新日本婦人の会県本部(広島市東区)は、被爆体験記集「木の葉のように焼かれて」の第58集を発刊した。原爆がもたらした苦しみを伝え、核兵器の廃絶を訴えている。

 8人の手記や3人の聞き書き、被爆者の家族の手記などを紹介している。11歳の時に通っていた大芝国民学校(現西区の大芝小)で被爆した清原良夫さん(安芸区)は、校庭に積み上げられた遺体が焼かれる光景を「目に焼き付いていて忘れられません」と振り返る。

 17歳だった湯本貴恵さん(倉吉市)は看護師として鳥取県の病院から派遣され、己斐国民学校(現西区の己斐小)で被爆者の救護に当たった。十分な治療をできなかったといい「命の大切さを、声を大にして訴えたい」とつづっている。

 県本部が発行を始めて今年で60年となった。8日に広島市役所で記者会見した村上厚子会長(68)は被爆者の証言集めに今後も力を入れる考え。「100人の被爆者がいれば100通りの体験があり、まだまだ思いや実態を発掘できていない面がある」と強調した。

 B5判72ページ。県本部は2300部を印刷し、1冊500円で販売する。ファクスやメールで受け付ける。ファクス082(263)0447。(下高充生)

(2024年7月10日朝刊掲載)

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