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被爆者が求めた謝罪・補償の意義 広島大特任助教が講演

 被爆者が米国や日本政府に対し、どのような要求をしてきたかを学ぶ講演会が14日、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザであった。広島大平和センター特任助教のヴァシレヴァ・ヴラデサヤ・ビラノヴァさん(31)が自身の研究を交え、謝罪や補償を求めていく意義を語った。

 日本被団協による1984年発表の文書「原爆被害者の基本要求」を踏まえ、被爆者調査の歴史を解説。ヴァシレヴァさん自身が昨年始めた聞き取り調査を基に、米国の謝罪は「不要」と回答した人の中にも「過ちを認めて反省することは求める」などの葛藤がある実態を報告した。

 その上で「米国の公的謝罪、日本政府による国家補償的な援護を同時に求めることを考えてもよい」と指摘。訴えが「原爆被害の特殊性への理解、ひいては戦争防止につながる」とし、核の危機にある今の問題として考えるべきだと結んだ。

 ヴァシレヴァさんはブルガリア出身で4月から現職。講演会は、韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部が主催し、約40人が参加した。(仁科裕成)

(2024年7月15日朝刊掲載)

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