「夕凪の街 桜の国」 原画堪能 出版20年記念 呉で全92点展示 作者こうの史代さん、開幕祝う
24年7月14日
戦後の広島を懸命に生きる被爆者の女性を描いた漫画「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の出版20年を記念した原画展が13日、呉市幸町の市立美術館で始まった。広島市西区出身の作者、こうの史代さん(55)も会場に駆け付け、開幕を祝った。9月8日まで。(栾暁雨)
2004年に刊行された作品の手描き原画全92点を含む計170点を展示。ネーム(鉛筆の下描き)や英語版、韓国語版の単行本なども並ぶ。
作品は被爆10年後の広島を舞台に、原爆が被爆者の心と体に残した傷を繊細な筆致で描く。主人公の女性の日常や、突然よみがえる被爆の記憶に苦しむ場面など、当時の暮らしぶりや登場人物の喜怒哀楽を間近に見ることができる。
神奈川県から訪れた会社員杉山裕治さん(59)は「ストーリーやせりふ、キャラクターづくりが巧み。原画に触れて作品が一層好きになった」。大竹市の会社員大知由佳さん(36)は「柔らかいタッチが魅力。漫画を何度も読み返しているが、原画では修正や書き足した部分もあり新しい発見があった」と見入っていた。
呉市内の祖父母の家に一時期暮らし、喫茶店でアルバイトもしていたという、こうのさん。会場で「呉の風情ある町並みが子どもの頃から大好き。思い出の場所での展示はうれしい」と喜んだ。
広島大の先輩でデビュー前にアシスタントを務めた漫画家とだ勝之さん(福山市)とのトークショーもあった。27、28日にはこうのさん原作の「この世界の片隅に」のミュージカルが呉市で上演される。
原画展は一般700円、シニア・大学生500円、高校生以下無料。火曜休館。同館☎0823(25)2007。
(2024年7月14日朝刊掲載)
2004年に刊行された作品の手描き原画全92点を含む計170点を展示。ネーム(鉛筆の下描き)や英語版、韓国語版の単行本なども並ぶ。
作品は被爆10年後の広島を舞台に、原爆が被爆者の心と体に残した傷を繊細な筆致で描く。主人公の女性の日常や、突然よみがえる被爆の記憶に苦しむ場面など、当時の暮らしぶりや登場人物の喜怒哀楽を間近に見ることができる。
神奈川県から訪れた会社員杉山裕治さん(59)は「ストーリーやせりふ、キャラクターづくりが巧み。原画に触れて作品が一層好きになった」。大竹市の会社員大知由佳さん(36)は「柔らかいタッチが魅力。漫画を何度も読み返しているが、原画では修正や書き足した部分もあり新しい発見があった」と見入っていた。
呉市内の祖父母の家に一時期暮らし、喫茶店でアルバイトもしていたという、こうのさん。会場で「呉の風情ある町並みが子どもの頃から大好き。思い出の場所での展示はうれしい」と喜んだ。
広島大の先輩でデビュー前にアシスタントを務めた漫画家とだ勝之さん(福山市)とのトークショーもあった。27、28日にはこうのさん原作の「この世界の片隅に」のミュージカルが呉市で上演される。
原画展は一般700円、シニア・大学生500円、高校生以下無料。火曜休館。同館☎0823(25)2007。
(2024年7月14日朝刊掲載)