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江戸家猫八さんの遺影登録 演芸家・俳優 宇品で被爆 平和祈念館

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は16日、2001年に80歳で亡くなった、演芸家で俳優の三代目江戸家猫八(本名岡田六郎)さんの遺影を登録したと発表した。

 同館によると、猫八さんは陸軍船舶司令部(暁部隊)船舶砲兵第一連隊に所属し、宇品町(現南区)で被爆。遺体の処理や家屋の下敷きになった人の救出に従事した。1981年の独演会で初めて人前で体験を語り「被爆の話を人に伝えていくのは、原爆の光を見て、今も生きている人間の務めではないかと、少しずつ思えるようになった」と振り返ったという。

 同館が暁部隊に関する企画展(開催中)の準備を進める中で猫八さんが部隊に所属していたのを確認。遺族に遺影の登録を打診した。孫の五代目江戸家猫八さん(47)は「被爆体験を語るのは祖父の晩年のテーマの一つだった。継承に少しでも役立てばありがたい」と話している。被爆者の遺影の登録は同館☎082(543)6271。(下高充生)

(2024年7月17日朝刊掲載)

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