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「あの日」語り継ぐ 21歳が本腰 最年少被爆体験伝承者 大学生増本さん あす安佐南区で講話

 広島市の被爆体験伝承者に最年少でなった安田女子大3年の増本夏海さん(21)=安佐南区=の活動が本格化している。今月上旬には母校の大塚中(同区)で、岸田弘子さん(84)=佐伯区=の被爆体験を後輩たちに語り継いだ。20日には地元の大塚公民館でも証言する。

 増本さんは8日、大塚中でカメラの前に立った。映像は各教室にライブ配信された。岸田さんを「弘子ちゃん」と呼び、5歳の少女の被爆を強調。死んだ赤ん坊を背負った母親や黒い雨に打たれたトマトなど、幼い瞳に映った「あの日」を伝えた。

 終盤では「平和とは何でしょう」と語りかけた。「平和とは何か考えることで次の行動を考えられる」との思いを込めた。証言を聞いた3年田口茉奈さん(15)は「『平和について伝えていくことが必要』という言葉が印象的だった」と話す。

 増本さんは4月に伝承者になって以降、原爆資料館(中区)や大学で講話を重ねる。「自分の話を聞いて、行動を起こそうと思ってくれる人もいる」とやりがいを語る。大塚公民館での講話は午前10時~。無料。定員100人で、電話での申し込みが必要。同公民館☎082(849)1841。(頼金育美)

(2024年7月19日朝刊掲載)

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