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キース・ヘリング「幻の壁画」とは 中区 広島での足跡展示

 1980年代の米国美術を代表するアーティスト、キース・ヘリング(58~90年)が広島市で制作しようとした「幻の壁画」と平和への思いを紹介する展示会が21日、広島市中区の旧日本銀行広島支店で始まった。中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市)の主催で無料。25日まで。

 同館が、88年7月に壁画の候補地を調べるため広島市に来たヘリングについて調査。パネル約20枚に、滞在した2日間の詳しい旅程のほか、候補地だった本川小(中区)の写真、当時建設中だった市現代美術館(南区)に関する新聞記事、被爆者と対話する様子を紹介している。ヘリングが書いた日記のコピーと日本語訳も掲示する。

 ヘリングは広島を訪れた1年半後に亡くなり、壁画制作は実現しなかった。訪れた山口県周防大島町のパート赤羽由圭さん(33)は「もし壁画が完成していたら実際に見てみたかった」と見入っていた。

(2024年7月22日朝刊掲載)

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