被爆アオギリが衰弱 サミット記念館の照り返し? 広島市が遮光ネット
24年7月25日
広島市中区の平和記念公園に植わる被爆樹木のアオギリが弱っている。そばに立つ「G7広島サミット記念館」からの日差しの照り返しが原因の可能性があるという。市は24日、記念館の外壁や屋根に遮光ネットを取り付けた。樹勢回復へ注力する。
市によると、今月に入り、記念館の東約2メートルにあるアオギリ(高さ約7メートル)1本の葉の色が薄く、小さくなっていると樹木医から報告を受けた。5月に完成したプレハブ平屋の記念館の壁に日差しが反射し、生育に影響を与えている恐れがある。さらに東のもう1本に異常はないという。
対策として、市は設置費用14万円を負担し、樹木に面した屋根や壁をポリエチレン製の黒いネットで覆った。近く肥料も注入し「状況が少しでも改善できるよう変化を見守る」としている。
アオギリは爆心地から1・3キロの旧広島逓信局(現中区東白島町)で被爆。「70年は草木も生えない」といわれた中で翌年に新芽を出し、市民を勇気づけた。1973年に原爆資料館東館の北側に移植された。
記念館は昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を振り返る展示施設。アオギリの衰弱を受け、広島県被団協(佐久間邦彦理事長)や県原水協など10団体でつくる「G7広島サミットを考える市民の会」は市へ記念館の撤去を要請した。佐久間理事長は「樹齢ではなく、外的要因で枯れてしまうのはあまりにも悲しい」と訴えている。(野平慧一)
(2024年7月25日朝刊掲載)
市によると、今月に入り、記念館の東約2メートルにあるアオギリ(高さ約7メートル)1本の葉の色が薄く、小さくなっていると樹木医から報告を受けた。5月に完成したプレハブ平屋の記念館の壁に日差しが反射し、生育に影響を与えている恐れがある。さらに東のもう1本に異常はないという。
対策として、市は設置費用14万円を負担し、樹木に面した屋根や壁をポリエチレン製の黒いネットで覆った。近く肥料も注入し「状況が少しでも改善できるよう変化を見守る」としている。
アオギリは爆心地から1・3キロの旧広島逓信局(現中区東白島町)で被爆。「70年は草木も生えない」といわれた中で翌年に新芽を出し、市民を勇気づけた。1973年に原爆資料館東館の北側に移植された。
記念館は昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を振り返る展示施設。アオギリの衰弱を受け、広島県被団協(佐久間邦彦理事長)や県原水協など10団体でつくる「G7広島サミットを考える市民の会」は市へ記念館の撤去を要請した。佐久間理事長は「樹齢ではなく、外的要因で枯れてしまうのはあまりにも悲しい」と訴えている。(野平慧一)
(2024年7月25日朝刊掲載)