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被爆遺構展示館 入館者数が急増 園路整備 回遊性向上 広島市、1日から閉館1時間延長

 平和記念公園(広島市中区)にある被爆遺構展示館の入館者が増えている。6月に月別で過去最多の1万2487人を記録。市は3月に原爆資料館などと結ぶ園路を整備し、回遊性が向上した点などが要因とみる。8月1日から試しに閉館時間を1時間延ばし、見学しやすくする。(下高充生)

 展示館は2022年3月に開館。公園の地中に埋もれていた、米軍の原爆投下で壊滅した旧中島地区の建物跡や通り「天神町筋」のアスファルトを見られる。6月の入館者は、前年同月比1・8倍。5月は1万2362人で、先進7カ国首脳会議(G7サミット)があった前年同月比1・5倍だった。

 今年3月に、天神町筋に沿って原爆資料館と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を結ぶ園路が開通し、展示館もその途中にある。埼玉県から訪れた会社員戸井田まゆみさん(59)は「せっかく来たからくまなく見て勉強しようと思った。展示館では、かつての街を感じられた」と話した。

 変更後の閉館時間は資料館に合わせ、8月が午後8時(5、6日は午後9時)、9~11月と3月が午後7時、12~2月が午後6時になる。開館はいずれも従来通り午前8時半。

 22年度の被爆遺構展示館の入館者は6万8167人、23年度は7万908人だった。市平和推進課は「資料館に来た人が行列を見て諦めて帰るのを防ぎ、展示館にも人が流れるようにしたい」としている。

(2024年7月30日朝刊掲載)

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