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庄原で戦争学ぶ旅を 広島経済大生ら、業者らにプラン提案 被爆者移送の芸備線で訪問

 広島市安佐南区の広島経済大の学生たちが、原爆投下後に被爆者が移送された庄原市をJR芸備線で訪ね、歴史を学ぶツアープランを考えた。市や庄原商工会議所、旅行代理店関係者たちに提案した。(桜井邦彦)

 同大経済学部の竹林栄治教授(58)=ドイツ鉄道史=のゼミ生たち4人が13日に備後庄原駅の地域交流室で、2人ずつ2組に分かれ、関係者7人を前にプレゼンテーションした。最初の班は、戦前から戦後、現代にかけての芸備線の歴史について発表。もう一つの班は、大学生・高専生、修学旅行生をそれぞれターゲットにした2泊3日の2プランを報告した。

 ツアーの主な内容は広島市内での平和学習後、芸備線車中で当時の炊き出しを想像しながらにぎり飯とたくあんを昼食に食べる。車中や備後庄原駅ではゼミ生から原爆投下と庄原の関わりを聞き、ホテルに移動して戦争の歴史をどう継承するかを討論。翌日に国営備北丘陵公園を観光する―という旅程を立てた。

 庄原商工会議所の本平正宏専務理事(62)は「戦争の歴史を学ぶツアーの視点はこれまでなく、参考になる提案」とコメント。戦争体験者の証言や慰霊碑訪問などを組み合わせることを助言した。

 経済学部4年の高倉もなみさん(22)は「ヒロシマの視点を大切に思いながら、庄原の観光振興や芸備線の利用促進になればと考えた」と話す。竹林教授たちはプランの具体化を目指している。

(2024年7月30日朝刊掲載)

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