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8・6式典 警戒強める 規制区域拡大/トランプ氏銃撃 広島県警

市は情報発信に力

 広島市が平和記念公園(中区)で6日に営む平和記念式典で、警備を担う広島県警が警戒を強めている。今年は入場規制が公園全体に広がる上、7月には米国でトランプ前大統領が屋外で銃撃される事件も発生。出席する要人の警護のために周辺の高所の把握などを入念に進め、市も混乱がないように規制の情報発信に力を入れている。(山崎雄一、野平慧一)

 県警は例年、会場一帯に大勢の警察官を配置している。建物の屋根から演説中のトランプ氏が狙われた暗殺未遂事件を受け、警察庁は7月14日、各地の警察に要人警護を徹底するよう通達した。「屋外はリスクが高く、入念な対策が必要」と県警警備課。県警は通達も踏まえ、会場が目視できる公園周辺のマンションやビルを確認して危険かどうかの分析や検証を進めている。

 当日は、例年の式典や昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)と同じく高層の建物の屋上などの警戒に当たる。

 昨年の式典では、原爆ドーム周辺でデモ参加者の一部が市職員に体当たりしたとされる事件が起きた。市は従来、原爆慰霊碑周辺の入場を規制していたが、「安全対策の強化」を理由にドーム周辺を含む公園全体にエリアを拡大し、午前5~9時に規制する。午前5時から公園利用者に園外への移動を求め、6時半に6カ所の入場口を開設し、手荷物検査を実施。参列者席そばでは金属探知検査もする。

 また、規制時間帯に拡声器やプラカード、横断幕、ビラ、ヘルメットなどの持ち込みを禁止する。市は従わない場合、入場の拒否や園外への退去を命じることがあるとする。規制エリア拡大に伴い、市は委託する警備員を昨年の約100人から約300人に増やす。

 式典には、岸田文雄首相らの出席が見込まれ、海外各国の要人も訪れる。市は入場規制の時間帯や入場口の場所、手荷物検査への協力のお願いなどを記したポスターを市役所やJR広島駅(南区)、広島バスセンター(中区)など145カ所に掲示。当日の入場口となる付近にも看板を設置した。

 市市民活動推進課は「規制エリアが広がることで不便をかけるが、式典開始までに円滑な入園をお願いしたい」と協力を求める。県警警備課は「サミット時の対応も踏まえ、市と連携して万全を期す」としている。

(2024年8月2日朝刊掲載)

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