ジョン・ハーシーのルポ 「ヒロシマ」題材 映画制作へ 谷本清さんとの友情描く
24年8月2日
米国人ジャーナリストのジョン・ハーシー(1914~93年)の被爆地ルポ「ヒロシマ」(46年)を題材にした映画が日米共同制作される。ルポに登場する被爆者の牧師谷本清さん(09~86年)の視点を交え、情報統制下で被害の実態を伝えた2人の姿を描く。
ハーシーは被爆9カ月後の占領下の広島を取材し、谷本さんらへの聞き取りをした。映画では敵国同士だった日米の2人が協力し、原爆投下で何が起きたのか暴き、友情を育む人間模様を伝える。原爆開発者の伝記映画「オッペンハイマー」で描かれなかった被爆者の視点に踏み込む。
ハーシーの孫でプロデューサーのキャノン・ハーシーさん(47)たちが制作を企画。事前調査で、谷本さんが45年8月6日~47年11月の状況を英語で記したメモが米国の大学で見つかった。ハーシーとの逸話などが書かれ、参考資料とする。原題は「WHAT DIVIDES US」で邦題や公開時期は未定。来年に日米で撮影する。
1日に広島市役所で制作発表があり、キャノンさんは「真実を伝えることがなぜ重要なのかというメッセージを発したい」と強調した。谷本さんの長女で被爆者の近藤紘子さん(79)=兵庫県=と、長男の谷本建さん(76)=安佐北区=も同席。近藤さんは「核廃絶という多くの被爆者の願いが、心の中に湧き出てくる」ような映画を期待した。(下高充生)
(2024年8月2日朝刊掲載)
ハーシーは被爆9カ月後の占領下の広島を取材し、谷本さんらへの聞き取りをした。映画では敵国同士だった日米の2人が協力し、原爆投下で何が起きたのか暴き、友情を育む人間模様を伝える。原爆開発者の伝記映画「オッペンハイマー」で描かれなかった被爆者の視点に踏み込む。
ハーシーの孫でプロデューサーのキャノン・ハーシーさん(47)たちが制作を企画。事前調査で、谷本さんが45年8月6日~47年11月の状況を英語で記したメモが米国の大学で見つかった。ハーシーとの逸話などが書かれ、参考資料とする。原題は「WHAT DIVIDES US」で邦題や公開時期は未定。来年に日米で撮影する。
1日に広島市役所で制作発表があり、キャノンさんは「真実を伝えることがなぜ重要なのかというメッセージを発したい」と強調した。谷本さんの長女で被爆者の近藤紘子さん(79)=兵庫県=と、長男の谷本建さん(76)=安佐北区=も同席。近藤さんは「核廃絶という多くの被爆者の願いが、心の中に湧き出てくる」ような映画を期待した。(下高充生)
(2024年8月2日朝刊掲載)