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米の核抑止力に依存 憤り 原水禁など 広島で世界大会始まる

 原水禁国民会議が中心となる原水爆禁止世界大会の広島日程が4日、広島市中区で始まった。金子哲夫共同実行委員長は政府が米国の核抑止力に依存を深めているとし、「核抑止を言う限り、核兵器のない世界の実現はあり得ない」と訴えた。

 広島グリーンアリーナであった開会総会に約2200人が集まった。金子氏は核抑止力の強化に合意した7月の日米閣僚会合に言及。「岸田文雄首相が唱える核兵器のない世界はいかに欺瞞(ぎまん)で、矛盾しているか明らかにした」と憤った。

 高校生平和大使の基町高2年甲斐なつきさん(16)=西区=も登壇。「戦争や核兵器、誰かに傷つけられる人のない世界が訪れるまで平和活動を続ける」と誓った。秋葉忠利前市長は核保有国に先制不使用の宣言を働きかけるよう提唱した。

 一方、日本原水協などの世界大会は中区のJAビルで国際会議を続け「核抑止は脅しであり、人道に反する」との宣言を採択した。約3200人が参加したグリーンアリーナでの総会には、オーストリア外務省のクメント軍縮局長がビデオメッセージを寄せ「核抑止論が機能するかは分からないが、失敗があるのは確実に分かっている」と指摘した。(宮野史康)

(2024年8月5日朝刊掲載)

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