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核抑止論からの脱却を 原水協など 世界大会 広島で開幕

 日本原水協が中心となる原水爆禁止世界大会が3日、広島市中区のJAビルで始まった。初日は国際会議があり、日韓の被爆者たちが核兵器の非人道性を証言。核抑止論からの脱却を各国に求め、議論を深める。

 約150人が参加した。大会運営委員会の野口邦和共同代表は主催者あいさつで、核兵器を持つロシアによるウクライナ侵攻と、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃を非難。「核兵器は平和と安全を守らず、他国への侵攻と威嚇を促し、緊張を高めている」と指摘した。

 釜山市の朴貞順(パク・ジョンスン)さん(89)は10歳時に爆心地から2キロの打越町(現西区)で被爆し、倒壊した家の下敷きとなった体験を証言。1946年1月に家族と韓国に渡り、50年に始まった朝鮮戦争で父親を亡くしたといい「人生で重要な時期に、2度も戦争に苦しめられた」と訴えた。

 長崎で被爆した日本被団協の木戸季市事務局長(84)や、米国が核実験を繰り返した太平洋マーシャル諸島のアバッカ・アンジャイン・マディソン元上院議員も核の非人道性について語った。(宮野史康)

(2024年8月4日朝刊掲載)

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