大田洋子文学の継承誓う碑前祭 スタジアムパークで46年ぶり
24年8月3日
広島市中区の「ひろしまスタジアムパーク」で2日、被爆作家大田洋子(1903~63年)を追悼する碑前祭が46年ぶりに営まれた。サッカースタジアム建設に伴い、パークの敷地内で文学碑を約50メートル北に移設。約50人が参列し、「原爆スラム」を舞台に被爆の惨状を描いた大田作品を伝え続けると誓った。
文学碑は高さ約1・7メートル、幅約2・5メートル。エディオンピースウイング広島の西側で原爆ドームに向かって立ち、代表作「屍(しかばね)の街」(48年)の一節を刻む。周囲に大小14個の石も配し、原爆の爆風を表現した。
78年に作家有志が建立したが、スタジアム本体の建設地に含まれたため2020年に撤去。市民団体「広島文学資料保全の会」などがパーク内での移設を市に要望していた。
碑前祭では黙とう後、母校の進徳女子高3年の井口桃禾(ももか)さん(18)と荒木奈津美さん(17)が屍の街を朗読した。企画した同会の土屋時子代表は「若い人に碑を知ってもらいたい。二度と原爆を体験させてはならないと、命をかけて文学を残した思いを伝えていく」と話した。(川上裕)
(2024年8月3日朝刊掲載)
文学碑は高さ約1・7メートル、幅約2・5メートル。エディオンピースウイング広島の西側で原爆ドームに向かって立ち、代表作「屍(しかばね)の街」(48年)の一節を刻む。周囲に大小14個の石も配し、原爆の爆風を表現した。
78年に作家有志が建立したが、スタジアム本体の建設地に含まれたため2020年に撤去。市民団体「広島文学資料保全の会」などがパーク内での移設を市に要望していた。
碑前祭では黙とう後、母校の進徳女子高3年の井口桃禾(ももか)さん(18)と荒木奈津美さん(17)が屍の街を朗読した。企画した同会の土屋時子代表は「若い人に碑を知ってもらいたい。二度と原爆を体験させてはならないと、命をかけて文学を残した思いを伝えていく」と話した。(川上裕)
(2024年8月3日朝刊掲載)