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首相、平和式典出席へ 就任後3回目 「核なき世界」発信

 岸田文雄首相は5日、広島市で6日に開かれる原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)に出席するため、広島入りした。式典出席は首相就任後3回目。被爆地選出の首相として「核兵器のない世界」に向けたメッセージを発信する。

 首相は広島空港に到着後、東広島市志和町を訪ね、父で元自民党衆院議員の文武氏ら岸田家の墓参りをした。4日は文武氏の命日だった。その後は広島市中区にある自身の事務所に立ち寄り、約2時間半滞在。秘書たちと今後の政治日程などについて意見を交わした。

 6日は式典であいさつし、被爆者団体との対話にも臨む。

 林芳正官房長官は5日の記者会見で、広島原爆の日を前に核廃絶への道筋を問われ、昨年5月の広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)でまとまった核軍縮文書「広島ビジョン」を生かすと強調した。

 一方、米国が核兵器を含む戦力で日本の防衛に関与する拡大抑止は「不可欠」と指摘。「国の安全保障を確保しつつ、現実を核なき世界という理想に近づけることは矛盾しない」とした。(中川雅晴、樋口浩二)

(2024年8月6日朝刊掲載)

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