小国が導く「核なき世界」 カザフ政府代表訴え 原水協・禁が大会
24年8月6日
日本原水協や原水禁国民会議は5日、広島市で二つの原水爆禁止世界大会を続けた。核被害を受けた国の政府代表や先住民が議論に加わり、連帯や核被害者への補償などについて話し合った。
在日カザフスタン大使館のクルマンセイト・バトルハン公使参事官は、原水協系が南区で開いたフォーラムに登壇した。核兵器禁止条約の第3回締約国会議で議長国を務める同国の政府代表として「人口2千万人の小さい国の大きな挑戦」と連帯を呼びかけた。
クルマンセイト氏は、旧ソ連核実験場の被害や独立時の核兵器放棄に触れ「運動をリードする道徳的な権利がある」と訴えた。来春の会議に向け、今月下旬に首都アスタナで核被害者を援助する国際信託基金を議論する会合を開くとした。
原水禁系が南区で開いた分科会には、ウラン採掘の被害を受ける米西部ニューメキシコ州の先住民が出席した。イーディス・フッドさん(72)は、廃棄物の盛り土の前で乗馬する子どもの写真を示し「危険性は何も知らされていなかった」と強調。「除染が必要。多額の費用は当事者が支払うべきだ」と、政府と鉱山会社の責任を追及した。
連合は中区で集会を開いた。芳野友子会長が禁止条約の締約国会議に参加しない政府に対し「唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向け、外交努力を続けてほしい」と求めた。KAKKIN(旧核禁会議)は東区の集会で、核兵器廃絶と原子力の平和利用推進に取り組むアピール文を採択した。(宮野史康、余村泰樹)
(2024年8月6日朝刊掲載)
在日カザフスタン大使館のクルマンセイト・バトルハン公使参事官は、原水協系が南区で開いたフォーラムに登壇した。核兵器禁止条約の第3回締約国会議で議長国を務める同国の政府代表として「人口2千万人の小さい国の大きな挑戦」と連帯を呼びかけた。
クルマンセイト氏は、旧ソ連核実験場の被害や独立時の核兵器放棄に触れ「運動をリードする道徳的な権利がある」と訴えた。来春の会議に向け、今月下旬に首都アスタナで核被害者を援助する国際信託基金を議論する会合を開くとした。
原水禁系が南区で開いた分科会には、ウラン採掘の被害を受ける米西部ニューメキシコ州の先住民が出席した。イーディス・フッドさん(72)は、廃棄物の盛り土の前で乗馬する子どもの写真を示し「危険性は何も知らされていなかった」と強調。「除染が必要。多額の費用は当事者が支払うべきだ」と、政府と鉱山会社の責任を追及した。
連合は中区で集会を開いた。芳野友子会長が禁止条約の締約国会議に参加しない政府に対し「唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向け、外交努力を続けてほしい」と求めた。KAKKIN(旧核禁会議)は東区の集会で、核兵器廃絶と原子力の平和利用推進に取り組むアピール文を採択した。(宮野史康、余村泰樹)
(2024年8月6日朝刊掲載)