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オスプレイ墜落「基本ないがしろ」 防衛局報告に岩国市長

 鹿児島県・屋久島沖で昨年11月、米軍岩国基地(岩国市)を飛び立った米空軍の輸送機オスプレイが墜落した事故を巡り、中国四国防衛局は5日、米空軍がまとめた調査報告書を岩国市と山口県に説明した。同基地には米海軍のオスプレイの配備が予定されており、市は機体の整備点検や搭乗員の教育など再発防止の徹底を米側に求めるよう要請した。

 田実博幸局長が市役所を訪れ、冒頭を除き非公開で福田良彦市長と会談した。田実局長は変速機の破損と操縦士の判断を事故原因と結論付けた報告書を説明。会談後、記者団の取材に「部品の一部に問題があったが機体の構造に問題はない。事故の予防は可能」との考えを示した。

 福田市長は会談後の取材に、不具合を示す警報が複数回出たのに操縦士が飛行を続けたとする調査結果について「基本的なことがないがしろになっていた。大変衝撃だ」と述べた。岩国基地へのオスプレイ配備を受け入れるかどうかの判断への影響については「既に機体の安全性などを国に文書で照会しており、その回答を待って市の考えを示したい」と述べるにとどめた。

 防衛局は山口県庁で県幹部にも説明。県側は事故状況が明らかになった点などを踏まえ「国の説明は一定の理解はできる」とした。(長久豪佑、藤田龍治)

(2024年8月6日朝刊掲載)

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