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米の大司教 核廃絶訴え 昨年に続き広島訪問

 広島と長崎に投下された原爆の開発拠点を管轄エリアに含む米ニューメキシコ州のカトリック・サンタフェ大司教区のジョン・ウェスター大司教(73)が5日、世界平和記念聖堂(広島市中区)を訪れた。約150人の信徒に向け、核兵器廃絶に向けた思いを述べた。

 広島と長崎、多数の核弾頭が配備されているシアトルとの4教区で昨年結んだパートナーシップを紹介。「非人道的な被害を受けた広島、長崎教区と結ぶことには、深い象徴性がある」と強調し、世界の司教たちに参画を呼びかけた。

 昨年に続いて原爆の日に合わせて来日したウェスター大司教。原爆を開発した科学者の半生を描き話題を呼んだ映画「オッペンハイマー」にも言及した。核兵器の研究施設で4万人が生計を立てているニューメキシコ州で「核軍縮のテーマを取り上げることは容易ではない」と吐露した上で、「それでもこの問題に取り組む」と力を込めた。

(2024年8月6日朝刊掲載)

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