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日常を守り平和つくる こども代表3人 「誓い」や「鐘」

 広島市内の小学6年生3人が、平和記念式典でこども代表として参加した。「色鮮やかな日常を守り、平和をつくっていくのは私たち」と「平和への誓い」を読み上げ、追悼の鐘を響かせた。

 祇園小の加藤晶さん(12)=安佐南区=と八幡東小の石丸優斗さん(12)=佐伯区=の2人が誓いを述べた。

 石丸さんは、広島市内で被爆した曽祖母が、当時のことを語ろうとしなかったとし「言葉にできないほどの悲しい記憶は今でも多くの被爆者を苦しめている」と強調。長崎市で入市被爆した曽祖父の体験を知る加藤さんは、世界で戦争が続き、79年前と同じように苦しんでいる人がいると訴えた。

 その上で、一人一人が相手の話をよく聞くこと▽「違い」を「良さ」と捉え、自分の考えを見直すこと▽仲間と協力し、一つのことを成し遂げること―が、自分たちにできる「平和への一歩」と投げかけた。

 式典後、加藤さんは「たくさんの人が聞いてくれたはず。核兵器が一つでも減るきっかけになってほしい」と願った。石丸さんは「思いを伝え切れた。この経験を生かし、平和を願う輪を広げていく」と力を込めた。

 比治山小の上本菜々子さん(11)=南区=は、午前8時15分の黙とうの1分間、遺族代表の森脇路雄さん(42)=中区=と「平和の鐘」を突いた。「むやみに人の命を奪う戦争がなくなるようにと思いを込めた」と振り返った。(山田祐、仁科裕成)

(2024年8月7日朝刊掲載)

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