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核なき世界 山口から祈り ゆだ苑 被爆者ら20人参列 ヒロシマ8・6

 米軍による広島への原爆投下から79年となった6日、山口市元町の県原爆被爆者支援センターゆだ苑で追悼式があった。被爆者たち約20人が参列し、犠牲者の冥福を祈り、核兵器や戦争のない平和な世界への思いを新たにした。(堅次亮平、江頭香暖)

 参列者は献花台に花を手向け、原爆が投下された午前8時15分に黙とうした。その後、同市江良の原爆死没者之碑も訪れ、手を合わせた。

 参列者の一人、林三代子さん(83)=防府市=は1945年8月6日の午後、親類を捜す両親たちと一緒に疎開先の中黒瀬村(現東広島市)から広島市に入り被爆した。水筒の水を飲んだ人が次々と亡くなる光景を覚えているという。「子どもや罪のない人々が今も戦火の犠牲になっている。思い出すのも恐ろしい、あの日のようなことを二度と起こしてはいけないと命の限り伝え続ける」と力を込めた。

 県によると、県内で被爆者健康手帳を持つ人は6月末現在で昨年同期より148人少ない1481人。平均年齢は86・6歳となった。ゆだ苑の八代拓理事長は「原爆の記憶は薄れつつあるが傷痕が消えたわけではない。これからも核のない世界の実現に向けて貢献する」と誓った。

(2024年8月7日朝刊掲載)

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