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連載・特集

よこみちけいこ 日々のたからもの <1> 「ふうちゃんのそら」(原案・中峠房江、2019年、ニコモ)から 個人蔵

 企画展「よこみちけいこ―日々のたからもの」(中国新聞社など主催)が、東広島市西条栄町の市立美術館で開かれている。身近な題材で創作を続ける呉市在住の絵本・紙芝居作家よこみちけいこさんの作品原画135点が並ぶ。同美術館の所ふたば学芸員が展示を紹介する。

呉空襲 平和の尊さ知る

 「ふうちゃんのそら」は、広島の地で繰り返し読まれている。小学2年生のときに呉空襲に遭った中峠房江さんの体験に基づいた作品だ。

 2015年に呉市のグループ「呉かみしばいのつどい」の監修で紙芝居が制作され、19年に絵本が出版された。作品に描かれたふうちゃんの記憶は、日々当たり前に空を見上げることができる平和の尊さを教えてくれる。

 よこみちけいこは呉市で生まれた。教育系出版社の営業や保育所勤務を経て03年に「ばらのことり」で絵本作家としてデビューする。この頃に紙芝居の制作も始め、04年には「やまでらの かんのんさま」を初めて出版した。以来、絵本・紙芝居作家として多くの作品を手がける。

 9月29日まで。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。一般800円、大学生500円、高校生以下無料。東広島市立美術館☎082(430)7117。

(2024年8月6日朝刊掲載)

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