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核先制不使用 重要性訴え 原水禁など 長崎で世界大会開幕

 原水禁国民会議が中心となる原水爆禁止世界大会は7日、会場を広島市から長崎市へ移し、長崎大会を始めた。中国の非政府組織(NGO)中国人民平和軍縮協会の安月軍・秘書長は開会行事で、相手より先に核兵器を使わない先制不使用は「世界の戦略的安定の維持に重要」だと訴えた。

 安氏は集まった約千人に、中国政府は先制不使用を約束していると説明。さらに全ての核保有国に先制不使用の国際条約の締結や共同声明の発表を求めていると説き、「核戦争のリスク軽減、国際安全保障への解決策」だと述べた。具体的な国名には触れずに「拡大抑止の強化は地域の平和、安定の破壊に他ならない」とも主張した。

 行事では、原爆で亡くなった子どもを悼む合唱曲「子らのみ魂(たま)よ」を地元の高校生が披露。被爆者の認定を求める長崎の「被爆体験者」訴訟を支援している長崎市の池田章子市議は、9日に体験者と面会する岸田文雄首相に政治解決を求めた。(宮野史康)

(2024年8月8日朝刊掲載)

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