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原爆の日 ドーム「合作画」に 大野東中3年清古さん、呼びかけ 30年以上続けた画家の遺志継ぐ

 廿日市市の大野東中3年、清古尊さん(14)が原爆の日の6日、広島市中区の平和記念公園で、行き交う人と原爆ドームを描く「合作画」に取り組んだ。30年以上続けた茨城県の画家が亡くなったと知り「平和を願う思いを途絶えさせたくない」と引き継いだ。

 清古さんは原爆ドーム前に縦66センチ、横96センチのキャンバスを置き「少し描いていきませんか」と道行く人に声かけ。朝から夕方までで国内外の観光客や被爆2世の人たち40人が絵筆を取った。

 真ん中に描かれたドームの屋根をハトや地球、花がカラフルに彩る。「平和は身近な所から」「For Peace」などの添え書きも。東京から来た会社員市川優奈さん(30)は「焼け跡から芽吹いた奇跡に思いをはせた」と草木を描いた。

 清古さんは、1988年から原爆ドームで合作画に取り組んだ画家山崎理恵子さんと1年前に現地で対面。「戦争をなくすために画家になった」との言葉に胸を打たれた。病気でもう続けられないと聞き、継承を申し出たという。

 「筆を取ることは、あの日の広島や戦争について考えるきっかけになる。平和の種をまくようなもの」と清古さん。山崎さんの遺志を継ぎ、来年以降も続けるつもりだ。 (八百村耕平)

(2024年8月8日朝刊掲載)

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