×

ニュース

シアトルのサダコ像 復元へ協力呼びかけ 広島の「シュモーに学ぶ会」 自費出版書籍の売り上げ 全額寄付

 米シアトル市の平和公園から銅像「サダコと千羽鶴」が盗まれたのを受け、広島市の市民団体「シュモーに学ぶ会」は復元に取り組む現地団体の募金に協力する。広島の復興を支援した米国の平和活動家フロイド・シュモー氏(1895~2001年)が公園建設を後押しした縁があり、自費出版した書籍の売り上げ全額を寄付する。

 「Houses for Hiroshima」でA4判、121ページ。戦後に広島を訪れ、被爆者たちを支援する家を建てたシュモー氏の足跡を関係者の手記などを通して伝える。14年刊行の日本語版を米サンノゼ州立大の教員と学生の協力で翻訳し、自費出版した。1部800円。200部を用意している。

 盗まれた銅像のモデルは広島で被爆し、白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さん。7月中旬に足首の上から切り取られ、なくなっているのが見つかった。会は公園建設の背景やシュモー氏の功績を知ってもらいつつ、現地のキリスト教団体による像復元にもつなげようと、書籍の売り上げを役立てることにした。

 西村宏子代表(66)は「盗難を知った時はショックだった。シュモーさんを知り、その上で平和のために何ができるかを考えるきっかけになってほしい」と協力を呼びかけている。書籍の購入申し込みとともに、寄付のみもメールで受け付ける。アドレスはfigjam.fs@gmail.com(山下美波)

(2024年8月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ