×

ニュース

オスプレイ岩国配備 「住民に大きな影響ない」 県と市など 検証結果を公表

 米軍岩国基地(岩国市)に海軍の輸送機オスプレイなどが配備される計画を巡り、山口県と岩国市、周防大島町、和木町は22日、「基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではない」との検証結果を示した。市と2町は近く各議会の意見を踏まえ、配備を受け入れるかどうか判断する見通し。県は各市町の意向を踏まえて見解を示す。(長久豪佑、藤田龍治)

 地元自治体の質問に国が20日回答した内容を基に同基地周辺への影響を検証。騒音については、今後数年で予定される米海兵隊の戦闘機の態勢変更を含め、同基地の航空機が全体で10機ほど減るとの回答を受け「現在より広がらないと見込まれる」とした。

 オスプレイの安全面では、昨年11月の鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けた安全対策を講じ、今年3月の運用再開以降にトラブル発生はなく、「安全性に問題はない」とする国の回答を評価した。

 オスプレイは空母艦載機のC2輸送機の機種更新として配備される。地元自治体は従来の国の説明から、オスプレイの機数はC2輸送機の現行の「約2機」より若干増えると想定している。

 元岩国市議で基地監視団体リムピース共同代表の田村順玄さん(79)は国の回答を疑問視。屋久島沖事故の根本原因は不明のままで、配備後の機体整備の人員体制なども明らかでないと指摘し「安全性が担保されたとはいえない。人が住む近くで飛行するのはあり得ない」と配備に反対している。

    ◇

 山口県は22日、自民党や公明党などの県議でつくる岩国基地問題に関する議員連盟(基地議連)役員会で、オスプレイなどの配備計画についての検証結果を説明した。会長の槙本利光氏(自民党、岩国市・和木町)は「基地議連として理解を示すものだ」と述べた。

(2024年8月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ