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平和紡ぎ次代に継承 8・6前に催し相次ぐ 

 8月6日の原爆の日を前に広島市で26日、平和を祈り、戦争の記憶をつなぐ学習会や慰霊祭などが相次いで開かれた。

 中区の本通一帯では、被爆者と街を巡る学習会があり、27人が参加した。案内役の奥本博さん(79)は地元出身で、今も一角に住む。原爆で両親と4人の弟妹を失い、自らも南区仁保で被爆した経験を語った。

 「7日にたどり着くと自宅は火の海。街が一変していた」。奥本さんは被爆前後の本通り商店街の写真を手に証言した。城北高1年の岡田慎太郎さん(15)は「自分と同じ年齢で家族を失うとは…。戦争のむごさをあらためて感じた」と力を込めた。

 中区の国泰寺高では、前身の旧制広島一中の犠牲者約370人を悼む原爆死没者慰霊祭があり、遺族ら約250人が参列した。学徒動員中の犠牲者約6千人の慰霊祭も、中区の平和記念公園そばの慰霊碑前で営まれた。

 同公園では、平和のメッセージが書かれたポリ袋を飾る「ホワイトプロジェクト」があった。安佐北区の三入東小の児童たちは、公園内の「平和の灯」をリレーで同校まで運んだ。

(2009年7月27日朝刊掲載)

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