広島城天守の木造復元 市が検討会議 幕末-明治初期の姿推す声 専門家ら 一定数の写真や史料
24年8月27日
広島市は26日、老朽化した広島城天守(中区)の整備の方向性を話し合う有識者の検討会議を開いた。木造で復元する場合、幕末から明治初期にかけての天守群全体を推す意見が専門家の委員たちから相次いだ。今後、整備費などを詰め、25年度末までに方向性をまとめる。(野平慧一)
オンラインを含め委員全7人が出席。事務局が木造復元を検討する時代設定として、創建期(1592年)▽江戸期(1600~1854年)▽幕末-明治初期(1854~72年)▽戦前(1872~1945年)―の4案を示した。
委員からは、天守と廊下でつながる二つの小天守などを含め、天守群全体が残っていた幕末-明治初期の姿に復元する案に賛同する意見が多く出た。写真や史料が一定にあり、価値を高められる点などを理由に挙げた。
この日は、事務局が木造復元、耐震改修をした上で現天守の継続利用、現天守の解体の3案についても説明。委員からは「木造の脆弱(ぜいじゃく)性も考慮すべきでは」とする意見もあった。今後は3案を比較するため、史跡としての価値向上や観光・まちづくりへの寄与、整備期間、整備費など7項目を示し、議論を深める。
座長を務める三浦正幸・広島大名誉教授(建築史)は「木造とコンクリートで、訪れた人の評価の差は歴然。木造再建が良いのではないか」と話している。
(2024年8月27日朝刊掲載)
オンラインを含め委員全7人が出席。事務局が木造復元を検討する時代設定として、創建期(1592年)▽江戸期(1600~1854年)▽幕末-明治初期(1854~72年)▽戦前(1872~1945年)―の4案を示した。
委員からは、天守と廊下でつながる二つの小天守などを含め、天守群全体が残っていた幕末-明治初期の姿に復元する案に賛同する意見が多く出た。写真や史料が一定にあり、価値を高められる点などを理由に挙げた。
この日は、事務局が木造復元、耐震改修をした上で現天守の継続利用、現天守の解体の3案についても説明。委員からは「木造の脆弱(ぜいじゃく)性も考慮すべきでは」とする意見もあった。今後は3案を比較するため、史跡としての価値向上や観光・まちづくりへの寄与、整備期間、整備費など7項目を示し、議論を深める。
座長を務める三浦正幸・広島大名誉教授(建築史)は「木造とコンクリートで、訪れた人の評価の差は歴然。木造再建が良いのではないか」と話している。
(2024年8月27日朝刊掲載)