オスプレイ配備容認表明 岩国市長「生活に大きな影響ない」
24年8月28日
米軍岩国基地(岩国市)に海軍の輸送機オスプレイなどが年内に配備される計画について、岩国市の福田良彦市長は27日の市議会本会議で「総合的に勘案し、了承する」と述べ、容認する意向を表明した。「基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではない」などと理由を説明。騒音や安全対策、地域振興策への配慮を国に強く求める考えも示した。
配備計画を巡り、基地周辺の自治体で受け入れを表明したのは初めて。山口県和木町、周防大島町も近く意思を表明する。同県は市町の意向を踏まえ対応を決める方針。
オスプレイは空母艦載機のC2輸送機からの機種更新として配備される。同基地では海兵隊や空軍のオスプレイが一時的に飛来することはあったが、配備は初めてとなる。併せて艦載機のFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機の一部がステルス戦闘機F35Cと交代する。海軍のオスプレイとF35Cはいずれも国内で初配備となる。
福田市長は、今後数年で予定される海兵隊の機種更新を含め、同基地の所属機が10機ほど減るとする国の説明を基に「騒音は現在より広がらない見込み」と説明。昨年11月の鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けて対策が講じられ、今年3月の運用再開後はトラブル発生はないとして「オスプレイは安全に運用されると考える」と述べた。
安全保障上の必要性や市議会で理解を示す意見が多数を占めたことも判断の材料に挙げた。表明に先立ち、中国四国防衛局や山口県に伝えたという。
国は、配備する機数や時期を明らかにしていない。福田市長は報道陣の取材に「機種更新後も運用を、強い関心を持って注視する」と述べた。(長久豪佑)
オスプレイ
固定翼機とヘリコプターのような回転翼機の特徴を兼ね備える輸送機。主翼のプロペラの角度を変えて垂直離着陸やホバリングができる。米軍による開発段階から事故が相次ぎ、安全性が懸念されている。米軍は普天間飛行場(沖縄県)に海兵隊機、横田基地(東京都)に特殊作戦用の空軍機を配備している。
(2024年8月28日朝刊掲載)
配備計画を巡り、基地周辺の自治体で受け入れを表明したのは初めて。山口県和木町、周防大島町も近く意思を表明する。同県は市町の意向を踏まえ対応を決める方針。
オスプレイは空母艦載機のC2輸送機からの機種更新として配備される。同基地では海兵隊や空軍のオスプレイが一時的に飛来することはあったが、配備は初めてとなる。併せて艦載機のFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機の一部がステルス戦闘機F35Cと交代する。海軍のオスプレイとF35Cはいずれも国内で初配備となる。
福田市長は、今後数年で予定される海兵隊の機種更新を含め、同基地の所属機が10機ほど減るとする国の説明を基に「騒音は現在より広がらない見込み」と説明。昨年11月の鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けて対策が講じられ、今年3月の運用再開後はトラブル発生はないとして「オスプレイは安全に運用されると考える」と述べた。
安全保障上の必要性や市議会で理解を示す意見が多数を占めたことも判断の材料に挙げた。表明に先立ち、中国四国防衛局や山口県に伝えたという。
国は、配備する機数や時期を明らかにしていない。福田市長は報道陣の取材に「機種更新後も運用を、強い関心を持って注視する」と述べた。(長久豪佑)
オスプレイ
固定翼機とヘリコプターのような回転翼機の特徴を兼ね備える輸送機。主翼のプロペラの角度を変えて垂直離着陸やホバリングができる。米軍による開発段階から事故が相次ぎ、安全性が懸念されている。米軍は普天間飛行場(沖縄県)に海兵隊機、横田基地(東京都)に特殊作戦用の空軍機を配備している。
(2024年8月28日朝刊掲載)