被爆体験証言者 通年募集に変更 広島市 家族伝承者も
24年8月28日
広島市は9月1日から、被爆体験証言者として活動する被爆者を通年で募集する。従来は毎年5月の1カ月間に限って募っていたが、被爆者が高齢化する中、語り手の掘り起こしと養成を急ぐ。合わせて、被爆者の子や孫を対象にした家族伝承者の募集期間も通年に切り替える。
被爆体験証言者は、原爆資料館(中区)などで修学旅行生や来館者、要人たちに講話する。DVDなどで被爆の実態について学んだ後、講話原稿を作り、実習を積む研修がある。終了後、広島平和文化センターに委任されて、活動を始める。
市が2012年度に証言者の養成を始めてから計105人が応募した。ただ22年度は2人、23年度は1人、24年度は5人と少なく、現時点で研修を終えて委任されている証言者は計23人にとどまる。通年募集により、被爆者が思い立ったときに応募できる利点がある。
日頃から祖父母や親たち被爆者の記憶を受け継ぐ機会のある家族伝承者も同様の理由で通年募集に切り替える。22年度から養成し、これまでに34人が研修を終えた。一方、第三者による被爆体験伝承者は、通年にすると、被爆者によっては何度も講師を務めることになるなど負担が増す可能性があり、従来通り5月にまとめて募る。
市平和推進課は「できるだけ多くの被爆体験を掘り起こし、後世に伝えたい」としている。証言者、家族伝承者とも市ホームページ上などにある応募用紙で受け付ける。同課☎082(242)7831=平日のみ。(下高充生)
(2024年8月28日朝刊掲載)
被爆体験証言者は、原爆資料館(中区)などで修学旅行生や来館者、要人たちに講話する。DVDなどで被爆の実態について学んだ後、講話原稿を作り、実習を積む研修がある。終了後、広島平和文化センターに委任されて、活動を始める。
市が2012年度に証言者の養成を始めてから計105人が応募した。ただ22年度は2人、23年度は1人、24年度は5人と少なく、現時点で研修を終えて委任されている証言者は計23人にとどまる。通年募集により、被爆者が思い立ったときに応募できる利点がある。
日頃から祖父母や親たち被爆者の記憶を受け継ぐ機会のある家族伝承者も同様の理由で通年募集に切り替える。22年度から養成し、これまでに34人が研修を終えた。一方、第三者による被爆体験伝承者は、通年にすると、被爆者によっては何度も講師を務めることになるなど負担が増す可能性があり、従来通り5月にまとめて募る。
市平和推進課は「できるだけ多くの被爆体験を掘り起こし、後世に伝えたい」としている。証言者、家族伝承者とも市ホームページ上などにある応募用紙で受け付ける。同課☎082(242)7831=平日のみ。(下高充生)
(2024年8月28日朝刊掲載)