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「原爆の図」丸木位里 両親と妹の遺影登録 広島原爆死没者追悼平和祈念館

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は27日、「原爆の図」で知られる画家丸木位里の母で画家のスマさん(1956年に81歳で死去)、父金助さん(46年に73歳で死去)、妹で画家の大道あやさん(2010年に101歳で死去)の遺影を登録したと発表した。

 同館などによると、3人は爆心地から約2・2キロの三滝町(現西区)の自宅で被爆した。スマさんは70歳を超えてから絵筆を執り、犬や猫、鳥などを主題にした絵のほか、被爆直後の光景を描いた作品も制作。大道さんも絵本などを手掛け、自らの被爆体験に基づく「ヒロシマに原爆がおとされたとき」(02年)などを残している。

 スマさんと金助さんの遺影は、「原爆の図」を位里と合作した妻の俊が描いた肖像画。提供した親族の常緑子さん(79)=西区=は「被爆者から直接話を聞くのが難しくなっている中で、『原爆の図』や遺影を見た若い人が戦争はいけないと思ってもらえたらいい」と願う。3人や位里、俊が写る被爆前の家族写真も登録した。

 被爆者の遺影などの登録は同館☎082(543)6271。(下高充生)

(2024年8月28日朝刊掲載)

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