被爆80年事業9000万円 概算要求 デジタル活用支援
24年8月29日
厚生労働省は28日発表した2025年度予算の概算要求に、1139億円の被爆者援護費を盛り込んだ。このうち被爆80年に合わせた広島、長崎両市の事業向けには9千万円を充てる。デジタル技術を活用した被爆の惨禍の継承など2市の取り組みを支える。
被爆体験記のデジタル化など継承に取り組む両市の事業費の3分の2を補助する。両市は被爆80年事業で、8月にそれぞれ開く原爆の日の式典に合わせた海外の学生、被爆者の招待や、民間団体による節目の行事の開催促進も計画。9千万円でこうした事業も支援する。
被爆者援護費の総額は、被爆者の減少に伴って24年度当初予算から10億円減った。一定の病気にかかると支給する健康管理手当(月額3万6900円)は24年度当初を2億円下回る422億円を要求。原爆症と認定された被爆者への医療特別手当(同15万20円)は233億円で、24年度と同額とした。
20年度から続ける原爆投下後の「黒い雨」の援護対象区域(大雨地域)の再検証費も、24年度当初比2千万円減の1億5千万円を要求。被爆建物・樹木の保存は引き続き5千万円を投じる。
日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(広島市南区)の広島大霞キャンパス(同)への移転費用は被爆者援護費と別枠で確保した。新施設の建設費で、25年度初めに具体的な金額を固める。(宮野史康)
(2024年8月29日朝刊掲載)
被爆体験記のデジタル化など継承に取り組む両市の事業費の3分の2を補助する。両市は被爆80年事業で、8月にそれぞれ開く原爆の日の式典に合わせた海外の学生、被爆者の招待や、民間団体による節目の行事の開催促進も計画。9千万円でこうした事業も支援する。
被爆者援護費の総額は、被爆者の減少に伴って24年度当初予算から10億円減った。一定の病気にかかると支給する健康管理手当(月額3万6900円)は24年度当初を2億円下回る422億円を要求。原爆症と認定された被爆者への医療特別手当(同15万20円)は233億円で、24年度と同額とした。
20年度から続ける原爆投下後の「黒い雨」の援護対象区域(大雨地域)の再検証費も、24年度当初比2千万円減の1億5千万円を要求。被爆建物・樹木の保存は引き続き5千万円を投じる。
日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(広島市南区)の広島大霞キャンパス(同)への移転費用は被爆者援護費と別枠で確保した。新施設の建設費で、25年度初めに具体的な金額を固める。(宮野史康)
(2024年8月29日朝刊掲載)