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生の被爆証言「胸に迫る」 アジアの学生22人 資料館訪問

 県立広島大(広島市南区)と国際交流協定を結ぶアジア4カ国・地域の学生22人が、中区の原爆資料館を訪れ、被爆者の八幡照子さん(87)=府中町=の英語による証言に耳を傾けた。

 八幡さんは8歳の時に爆心地から2・5キロの己斐本町(現西区)で被爆。通っていた己斐国民学校(現己斐小)が火葬場となった様子を涙ながらに語った。荷物のように肩にむしろを担いだ男性とすれ違った際に、中から子どもの紫色の足が見えた経験も明かした。

 インドネシアの農業大4年ラヤ・ルーマイシャ・ズリアンシャーさん(22)は「誰が子どもの足だと想像するだろう。言葉にできない」。台湾の大学2年リャオ・チンアンさん(20)は「ビデオで証言を聴いたことはあったけれど、現地で学ぶとより胸に迫る」と話していた。

 「広島の歴史や文化を知ってほしい」と本年度から始めた研修プログラムの一環。中国とマレーシアからも参加した。一行は宮島(廿日市市)や同大の広島、三原、庄原の3キャンパスも訪れた。 (加納亜弥)

(2024年8月29日朝刊掲載)

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