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被爆後の経験知るために トラス元英首相、広島市長と面会

 核保有五大国の一つ英国のリズ・トラス元首相が29日、広島市役所で松井一実市長と面会した。初の広島訪問について「原爆の後、広島で何が起き、人々がどんな経験をしたかを知っておきたかった」と明かした。

 トラス氏は、東西冷戦期と比べて核兵器を巡る国際情勢が複雑になっていると指摘。昨年5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)に触れ「日本が平和的な民主主義を守る最前線に立っているのを頼もしく思う」と述べた。

 28日に原爆資料館(中区)を見学しており、芳名録には「市が経験した恐怖を二度と繰り返さないためにはどうしたらよいか、非常に真剣に考えさせられた」と記した。

 松井市長は、あらゆる暴力を否定する「平和文化」を紹介し「為政者には現実を知りながら、可能な限り理想を目指してほしい」と強調。核兵器廃絶を目指す平和首長会議の取り組みに協力を求めた。(野平慧一)

(2024年8月30日朝刊掲載)

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