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目の不自由な入所者のハーモニカバンド 青い鳥楽団の音源 CDに 有志の合唱団収録 来年発売

国立ハンセン病療養所 長島愛生園

 国立ハンセン病療養所の長島愛生園(瀬戸内市)で目の不自由な入所者たちが結成し、半世紀ほど前まで活動したハーモニカバンド「青い鳥楽団」の音源を、CDにして復活させる取り組みが進んでいる。1日、有志でつくる「青い鳥合唱団」が園内で楽団テーマ曲の収録に臨んだ。CDは来年の発売を予定する。

 曲は楽団を率いた近藤宏一さん(1926~2009年)作詞作曲の「あおいとり行進曲」。岡山県内外から集まった園の職員や知人たち約30人が、「いざ友よ悩みをのり越えて」「いのちの翼が羽搏(はばた)くのだ」など力強い歌詞を、ハーモニカの伴奏に合わせて歌い上げた。

 岡山市北区の臨床心理士利守愛子さん(47)は「合唱が愛生園を初めて訪れるきっかけになった。明るく元気になる曲」と笑顔を見せた。

 青い鳥楽団は1953年に誕生し、76年まで活動を続けた。近藤さんの音楽に影響を受けた作曲家の阿部海太郎さん(45)=東京都=が2017年から近藤さんの遺品の楽譜を調べたり、音源を集めたりして音楽家たちとCD化を検討してきた。

 収録に参加して歌った阿部さんは「歌は歌い継げば残っていく。いざ友よの歌詞は私たちにも語りかけられているように感じる」と話していた。(山本真帆)

(2024年9月2日朝刊掲載)

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