青山クラブ 一部保存案 解体跡に美術館新築 呉市有識者会議が方針
24年9月10日
旧海軍ゆかりの施設「青山クラブ」や呉市立美術館のある同市幸町地区の在り方を検討する有識者会議が9日、市役所であった。青山クラブの建物の一部を耐震補強して保存し、残りの大部分を解体した跡地に美術館を新築する案を軸に、同地区のエリアデザインを進める方針を申し合わせた。(衣川圭)
青山クラブ(鉄筋3階、地下1階)は1936年に建築され、旧海軍集会所として使われてきた。保存には大幅な改修、補強が必要で、同会議で全部保存や一部保存、外壁保存の案を議論してきた。この日、建物の曲線が特徴的なJR呉線側の一部を残して大部分を解体し、跡地と中庭のエリアに2階建ての美術館を新築する方向で進めるとする意見が多く出た。
市の概算では、青山クラブの整備は一部保存が約33億円で、全部保存(約93億円)や外壁保存(約50億円)と比べて費用を抑えられるという。また、市は美術館新築費として約24億円、現美術館を歴史展示室や収蔵庫として使うために改修する場合の費用を約7億円とする。
会議では「市民の中にある青山クラブのイメージを保存し、呉の将来のための場としていくことが重要」「将来世代の負担にならないよう残すならば、スリム化は避けて通れない」などの意見が出た。一方、音楽ホールなどがある桜松館について、耐震改修して全体を保存する方向で議論してきたが、整備費が約25億円と高額になることや中庭を生かす観点から「無理に保存する必要はない」との意見が出た。
市は2018年に青山クラブと桜松館の建物と土地を約2億円で購入。有識者会議を設け、23年5月から施設活用の方向性などを検討している。今後2回ある会議の議論を踏まえ、市は本年度中に同地区の整備方針を策定する。
(2024年9月10日朝刊掲載)
青山クラブ(鉄筋3階、地下1階)は1936年に建築され、旧海軍集会所として使われてきた。保存には大幅な改修、補強が必要で、同会議で全部保存や一部保存、外壁保存の案を議論してきた。この日、建物の曲線が特徴的なJR呉線側の一部を残して大部分を解体し、跡地と中庭のエリアに2階建ての美術館を新築する方向で進めるとする意見が多く出た。
市の概算では、青山クラブの整備は一部保存が約33億円で、全部保存(約93億円)や外壁保存(約50億円)と比べて費用を抑えられるという。また、市は美術館新築費として約24億円、現美術館を歴史展示室や収蔵庫として使うために改修する場合の費用を約7億円とする。
会議では「市民の中にある青山クラブのイメージを保存し、呉の将来のための場としていくことが重要」「将来世代の負担にならないよう残すならば、スリム化は避けて通れない」などの意見が出た。一方、音楽ホールなどがある桜松館について、耐震改修して全体を保存する方向で議論してきたが、整備費が約25億円と高額になることや中庭を生かす観点から「無理に保存する必要はない」との意見が出た。
市は2018年に青山クラブと桜松館の建物と土地を約2億円で購入。有識者会議を設け、23年5月から施設活用の方向性などを検討している。今後2回ある会議の議論を踏まえ、市は本年度中に同地区の整備方針を策定する。
(2024年9月10日朝刊掲載)