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「判断引き継がれず残念」 広島の「黒い雨」訴訟原告ら

 長崎原爆を巡る「被爆体験者」訴訟で、長崎地裁が一部の原告を被爆者と認定する判決を出した9日、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る訴訟の原告団や弁護団は「原告全員を被爆者と認定した広島高裁の判断基準が引き継がれず、残念だ」と受け止めた。

 広島地裁では「黒い雨」を浴びたとする46人が原告となって2次訴訟が係争中。広島市中区で記者会見した岡久郁子原告団長(83)=西区=は「長崎の原告の分断を生むような判決はいかがなものか。救済してほしいという声を裁判所は受け止めたのか」と憤った。

 「黒い雨」を巡っては広島高裁が2021年、放射能の影響について「健康被害が否定できないと立証すれば足りる」と原告全員を被爆者と認定する判決を出した。弁護団の竹森雅泰事務局長は「長崎地裁は科学的根拠の必要性を明示しており、認定のハードルは上がっている」と述べた。(坂本顕)

(2024年9月10日朝刊掲載)

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