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社説・コラム

『この人』 海上自衛隊呉地方総監に就任した 福田達也(ふくだたつや)さん

 7月に創設70周年を迎えた海上自衛隊呉地方隊のトップに8月2日付で就任した。「意識改革と創意工夫」を方針に掲げ「より高いレベルに持っていくという意識が大切」と力を込める。

 呉での勤務は3度目。第4護衛隊群司令だった2018年、西日本豪雨の被災者への給水や入浴などの支援活動を指揮した。多くの市民が呉基地を訪れ「任務遂行の意義を感じた」と振り返る。

 17年には多国籍部隊の司令官としてソマリア沖アデン湾での海賊対処に当たった。頻発する海賊行為を抑止するため、警戒監視の強化や民間船への啓発活動に注力した。

 自衛隊を巡っては、特定秘密の不適切運用などで7月に隊員たちが一斉に処分された。これまでの体制の不具合があったとし「早急に海自を挙げて是正し、再発しないようしっかりとやっていく」と強調。就任直後には職場環境の改善に向け「ハラスメントを許さない」とするメッセージを総監部内に掲示した。

 自衛官を志したのは高校1年の時。米海軍航空士官養成学校の学生が主人公の映画「愛と青春の旅だち」に夢中になり、白い制服に憧れを抱いた。

 仕事には厳しく向き合う。「だからこそ職場の雰囲気は明るく楽しくしたい」。「関西人気質」を自認し、防衛大学校時代には漫才コンビを組んでいたという。趣味はランニングで、年間2千キロ以上走る。

 大阪府八尾市出身。神奈川県に家族を残して単身赴任。愛犬の写真が日々の癒やしだ。海将。(小林旦地)

(2024年9月15日朝刊掲載)

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