短歌に込めた平和の思い 被爆者切明さん 中区で講演
24年9月24日
戦争や平和、自身の被爆体験をテーマにした短歌集を8月に出版した切明千枝子さん(94)=広島市安佐南区=の講演会が23日、中区の広島国際会議場であった。短歌を詠み始めたきっかけや歌集出版の喜びを語った。
幼い長男が原因不明の視力低下を患い、途方に暮れた際の思いを歌に詠み、新聞投稿したことが約60年にわたる短歌生活の始まりだったと振り返った。切明さんは「歌を詠むことで救われた。わが子を守っていく決心もついた」と語った。
被爆証言の催しで知り合った若者が編者になった初の歌集「ひろしまを想(おも)う」には、広島から戦地に向かう日本兵の様子や、女学校時代の思い出など約500首を載せたという。「歌集を出すなんて夢にも思ったことがない」と話していた。
被爆建物の保存に携わる切明さんは、市民団体「旧被服支廠(ししょう)の保全を願う懇談会」の共同代表を務めている。講演会は教職員や保護者でつくる実行委員会が主催し、会場とオンラインで計約260人が聞き入った。(伊藤友一)
(2024年9月24日朝刊掲載)
幼い長男が原因不明の視力低下を患い、途方に暮れた際の思いを歌に詠み、新聞投稿したことが約60年にわたる短歌生活の始まりだったと振り返った。切明さんは「歌を詠むことで救われた。わが子を守っていく決心もついた」と語った。
被爆証言の催しで知り合った若者が編者になった初の歌集「ひろしまを想(おも)う」には、広島から戦地に向かう日本兵の様子や、女学校時代の思い出など約500首を載せたという。「歌集を出すなんて夢にも思ったことがない」と話していた。
被爆建物の保存に携わる切明さんは、市民団体「旧被服支廠(ししょう)の保全を願う懇談会」の共同代表を務めている。講演会は教職員や保護者でつくる実行委員会が主催し、会場とオンラインで計約260人が聞き入った。(伊藤友一)
(2024年9月24日朝刊掲載)