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福山空襲絵本 平和願う 「母と子の八月八日」原画展

 1945年の福山空襲で亡くなった母子3人をモデルにした絵本「母と子の八月八日」の原画展が20日、福山市丸之内の市人権平和資料館で始まった。作画を担当した尾道美術協会顧問の佐藤圭史さん(85)=尾道市原田町=が平和学習に役立ててもらおうと福山市に昨年寄贈し、初の展示となる。11月24日まで。

 同市霞町にある「母子三人像」をモチーフにした絵本は2009年、空襲の体験者たちでつくる制作委員会が発行。制作委の男性が爆撃の中を逃げ惑った思い出を振り返り、水田で体を寄せ合い亡くなっていた母親と幼い兄妹について語る物語だ。

 会場には、炎の中を逃げる母子、燃えさかる福山城や市街地を迫力あるタッチで描いた水彩画27点を展示。咲き誇るバラや談笑する親子を優しい色合いで描いた絵も並び、戦災の悲惨さを際立たせる。

 同館が開館30周年を記念して企画した。この日会場であった式典に出席した佐藤さんは「命の大切さや平和への願いを込めて描いた。絵を見た子どもたちに思いを受け継いでほしい」と話した。

 親子で訪れた先着100組に絵本を贈る。入館料100円、高校生以下など無料。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。同館☎084(924)6789。  (原未緒)

(2024年9月21日朝刊掲載)

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