[あの人 このヒト] 光海軍工廠の歴史に詳しい郷土史家 光市虹ケ丘 秋本元之さん
24年9月30日
悲しい戦争の歴史知って
「来年は終戦から80年。多くの市民に地元の歴史を思い起こしてほしい」。旧日本海軍の兵器を製造した光海軍工廠(こうしょう)に関する研究成果を講演会や冊子で紹介してきた。市など所有の同工廠関連資料8点が昨年12月から今年5月にかけて市文化財に指定されたことを評価する。
インドネシア・ボルネオ島の旧海軍燃料廠で戦病死した父の記憶をたどろうと資料を探していた時に、光海軍工廠の資料を見つけたのが研究のきっかけ。終戦直前の米軍による空襲体験者の聞き取りも重ねた。「空襲で尊い命を失われた人々への追悼の思いを持ち続けている」という。
市内の浅江小の元校長。2020年には小学生向けに写真や図を多用し、漢字にルビを振った冊子を作った。「子どもたちには戦争の悲しい出来事を知り、平和な社会を築いていく担い手になってほしい」(久行大輝)
(2024年9月30日朝刊掲載)