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岸田首相が退任 中国地方選出の与野党議員らの声

核軍縮議論で世界注目/核禁条約に消極的

賃上げ実現で成果/「政治とカネ」うやむや

 岸田文雄首相が退任した1日、中国地方選出の与野党議員は3年に及んだ政権運営の成果や課題に思いを巡らせた。岸田氏が掲げた「核兵器のない世界」は与野党で評価が割れた。経済や子育て政策には好意的な意見が目立った。

 自民党の小島敏文氏(比例中国)は「新しい資本主義を掲げ、賃上げを実現したのが一番の成果だ」と強調した。同党の舞立昇治氏(参院島根・鳥取)は財源を巡る議論が浮上した防衛力強化や子育て政策を前に進めた点を評価しつつ「説明が足りないとの指摘は受け止めないといけない」と注文した。

 核廃絶への取り組みに対する見解は分かれた。自民党の平口洋氏(広島2区)は昨年5月の広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)を挙げ「核軍縮を議論し、世界で注目を集めた」と力説。立憲民主党の森本真治氏(参院広島)は核兵器禁止条約への消極姿勢を貫いたとし「オブザーバー参加を決断しなかったのは残念」と話した。

 自民党派閥の裏金事件など「政治とカネ」問題への岸田氏の対応を問う声も多かった。日本維新の会の空本誠喜氏(比例中国)は「明らかな脱税だが、うやむやにされた感がある」と批判した。

 公明党の日下正喜氏(比例中国)は政治資金規正法改正を一定に評価しつつ「これからが総仕上げ」と総括。ブラックボックスともされる政策活動費に関し「監査する第三者機関の設置」を石破新政権に求めた。(中川雅晴、堀晋也、秋吉正哉)

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 広島県の湯崎英彦知事は「今後も唯一の戦争被爆国としてのリーダーシップを発揮していただきたい」とのコメントを出した。県議会の中本隆志議長は記者会見で「外交や経済に取り組んでいる最中に、裏金問題などの責任を取って辞められるのは、岸田総理を支えていた者として本当に悲しい、苦しい、つらい」と残念がった。

(2024年10月2日朝刊掲載)

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