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被爆留学生を舞台化 大手町商高演劇部員 きょう大会で披露

■記者 川上裕

 戦時中、東南アジアの留学生寮があった大手町商業高(広島市中区)の演劇部が28日、市教委主催の平和をテーマにしたコンテストで留学生の被爆劇を初めて披露する。

 爆心地から約1キロ南にあった木造2階建て「興南寮」。広島大の前身の広島文理科大に通う南方特別留学生9人が住み、マレーシア人2人が被爆死した。

 主人公は寮のマレーシア人で一人だけ生き残った留学生。本人の体験を基に1991年出版された「わが心のヒロシマ」(勁草書房)を参考に、顧問の教師が脚本を書いた。

 主人公役を演じる3年片山真侑部長(17)は「被爆体験を自分に近づけて考えた。被爆当時の様子を伝えたい」。部員6人が意見を出し合い、約5分の劇に仕上げた。

 コンテストは中区のアステールプラザである「中・高校生によるヒロシマの継承と発信」。演劇部員は本番に向け、留学生の1人が眠る光禅寺(佐伯区)の墓碑に花を手向けた。

(2009年7月28日朝刊掲載)

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