墨絵で描く 毒ガス島 製造工場に動員 三原の岡田さん あすから作品展 「歴史の事実伝え平和に」
24年10月3日
竹原市の大久野島で旧日本軍の毒ガス製造に動員された元美術教諭岡田黎子さん(95)=三原市幸崎能地=が描いた、当時の体験を伝え残す墨絵の作品展が4日、同市皆実のみはらアーカイブスギャラリーで始まる。13日まで。無料。
岡田さんは忠海高等女学校2年だった1944年11月から敗戦まで、毒ガス製造工場で作業の意味も分からないままドラム缶の運搬などに従事。風船爆弾の気球の製作にも携わり、広島の原爆投下後には救護活動にも動員された。戦後は中学、高校で美術を教えた。
会場には、岡田さんが89年に出版した墨絵画集の原画を中心に初公開の24点が並ぶ。大久野島から帰る際に受けた荷物検査やガスマスクの配給、タンクやパイプがあった工場内の様子、塩田の作業中に島から見えた原爆のきのこ雲などを、柔らかく精緻なタッチで描いている。
自らの行為が「加害」だったとし、戦時中の体験を証言してきた岡田さん。海外で紛争が収まらない中、「無自覚に戦争に加担することがあってはならない。歴史の事実をきちっと伝えることが平和につながる」と強調する。支援者でつくる実行委員会が主催。開場は午後1~5時。(川崎崇史)
(2024年10月3日朝刊掲載)
岡田さんは忠海高等女学校2年だった1944年11月から敗戦まで、毒ガス製造工場で作業の意味も分からないままドラム缶の運搬などに従事。風船爆弾の気球の製作にも携わり、広島の原爆投下後には救護活動にも動員された。戦後は中学、高校で美術を教えた。
会場には、岡田さんが89年に出版した墨絵画集の原画を中心に初公開の24点が並ぶ。大久野島から帰る際に受けた荷物検査やガスマスクの配給、タンクやパイプがあった工場内の様子、塩田の作業中に島から見えた原爆のきのこ雲などを、柔らかく精緻なタッチで描いている。
自らの行為が「加害」だったとし、戦時中の体験を証言してきた岡田さん。海外で紛争が収まらない中、「無自覚に戦争に加担することがあってはならない。歴史の事実をきちっと伝えることが平和につながる」と強調する。支援者でつくる実行委員会が主催。開場は午後1~5時。(川崎崇史)
(2024年10月3日朝刊掲載)