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被爆証言が基 映画ロケ広島で 「瞬きの閃光」 来年初春の公開目指す 「平和強く願うきっかけに」

 被爆者の証言を基にしたオール広島ロケの映画「瞬(まばた)きの閃光(せんこう)~序章」の撮影が広島市内で進んでいる。山中富雄監督(62)=南区=がメガホンを取り、市在住のシンガー・ソングライター寿理さん(18)が主演を務める。

 戦時中、学徒動員で飛行機の部品を造っていた被爆者の女性がモデル。南区の元宇品海岸で9月下旬、将来に思い悩む主人公が海岸にたたずむシーンを撮影した。演技に初挑戦する寿理さんは「作品を見た人が、今ある平和が続いてほしいと強く願うきっかけになれば」と意気込む。

 製作のきっかけは、山中監督が佐伯区出身の故新藤兼人監督の「石内尋常高等小学校 花は散れども」の製作現場に参加したことだった。新藤監督が「原爆が投下される前の風景を撮りたい」と語っていた姿から、自分も「原爆が日常を一瞬で奪ったことを伝えたい」と思いを温めてきた。

 平和記念公園(中区)や竹原市の町並み保存地区でも撮影し、来年初春の公開を目指す。(頼金育美)

(2024年10月4日朝刊掲載)

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