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谷本清平和賞に森重昭さん選出 歴史研究家 被爆死米兵調査

 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(広島市佐伯区、鶴衛理事長)は3日、第36回谷本清平和賞に被爆者で歴史研究家の森重昭さん(87)=西区=を選んだと発表した。原爆投下時に広島にいた米兵捕虜を長年にわたり調査し、12人が犠牲になったと結論付けた功績を評価した。

 森さんは8歳の時、爆心地から約2・5キロの己斐町(現西区)で被爆。会社勤めの傍ら、被爆死した米兵捕虜について調べ続け、2008年の著書で結果を公表した。16年には米国の現職大統領として初めて広島を訪れたオバマ氏に肩を抱かれる姿が世界へ伝えられた。同年に菊池寛賞を受賞した。

 センターは、「原爆の悲劇に国境はない」とのメッセージを発し、核兵器廃絶につながる取り組みとたたえた。森さんは「これからも、平和がいかに大切か皆さんに伝えていきたい」と語った。

 センターは贈呈式を11月17日に中区で開く。平和賞は1987年、被爆者支援に尽くした広島流川教会の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、創設した。(下高充生)

(2024年10月4日朝刊掲載)

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